「球際の強さ」という言葉、息子の学年が上がるにつれて少年サッカーでもよく耳にするようになってきました。
「プレー強度」や「インテンシティ」と言い換えることもできます。
プロ選手の試合後インタビューなどで「もっとインテンシティを高めていかないと~」と話しているのを聞いたことないでしょうか。
最近では「デュエル」という言葉も出てきました。日本代表の遠藤航選手が「デュエル王」なんて呼ばれてますね。
どれもボールが絡む局面で主導権を奪い合うことを表現しています。
「球際の強さ」が強ければチームの強さに直結しますが、高い強度の中で戦うことで個人やチームの本当のレベル差が見えてきます。
球際の強さが求められる理由
サッカーというスポーツは相手より点を取ったチームが勝利するスポーツです。
そのためには「相手にシュートを決めさせないこと(ディフェンス)」、「自分たちがシュートを決めること(オフェンス)」の2つの局面を有利に運ぶことが重要になってきます。
2つの局面は頻繁に切り替わりますが、切り替わりのカギとなるのがボールです。
ボールを保持しているチームがオフェンス、保持していないチームがディフェンスになりますが、球際の強さで相手チームを圧倒できれば一方的にボールを保持できる、つまり試合の主導権を握ることができます。
- ディフェンスで相手からボールを奪う
- ルーズボールをキープする
- オフェンスで相手のチェックからボールを守る
どれも「球際の強さ」があればボール保持を有利にすることができます。
球際を強くするために必要なこと
「球際の強さ」とはどんなプレーなんでしょうか。
分かりやすいのは体をぶつけてボールを奪うこと、相手とボールの間に体を入れてボールをキープすることです。
強豪チーム同士だと至る所でバチバチとやりあってますので一目でわかると思います。
球際の強さを身に着けるために必要なことをいくつか挙げてみます。
勇気と気迫が不可欠
気持ちが一番大事というやつですね。
球際の強度を上げるということは相手に強く向かっていくことになります。
相手に立ち向かうためには恐怖心に打ち勝つこと、あきらめない気持ちを表に出すことが求められます。
まずメンタル面で戦える状態になっていないと球際で勝つことはできません。
優しい子や痛みが怖い子、あきらめがちな子はなかなか強度を保つことが難しいと思います。
メンタル面は「なぜ球際に強くいけなかったのか」を日々振り返ることで少しずつ整ってきます。
息子も始めは恐怖心から球際の強度を上げることにためらいがありましたが、サッカーノートで振り返ることでメンタル面を見直していきました。
実戦で数をこなすのも非常に有効です。
体の使い方を学ぶ
メンタル面の準備ができていても闇雲に向かっていけば良いわけではありません。
一歩間違えばファウルになったり、最悪のケースでは相手にケガをさせることだってあり得ます。
まずは1対1をひたすら練習して相手のボールを奪えるポイント、相手にボールを奪われないポイントを理解します。
- 相手が体を使ってきたら自分の体をこう使えばボールが奪える
- 相手が体を使う前に自分の体を使ったら奪いやすい
- この場面で相手に体を入れられたら奪えない
状況によって体の使い方は変わってくるのでいろんなパターンを練習すると良いと思います。
体の使い方が上手くても身体が小さい、線が細いから当たり負けしてしまう場合は生活習慣を見直すことで身体作りに注力してみることも大切だと思います。
強くいく場面を見極める
どんな場面でもプレー強度を上げればよいかというとそうでもありません。
- ボールホルダーとの間合いが開いている
- ディフェンスで数的不利な状況
など迂闊に動けば即座に不利になるケースがあります。
球際を強く行くタイミングは距離と動き出しと相手の状態を見てボールに触れることができるかを見極める必要があります。
見極めが甘いと簡単にかわされてしまい、一転してピンチを迎えることになってしまいます。
見極める力を身に着けるには自分の間合いを理解することが近道です。練習や試合を通して身に着けるのが良いと思います。
球際の強さの中で分かる本当のレベル差
球際に強いチームと弱いチームが戦えば強いチームが圧倒的に試合を支配します。
では同じくらい球際に強いチーム同士が戦うとどうなるでしょうか。
普通に考えれば拮抗した試合になり、一瞬のミスやチャンスをものにした方が勝つと思いますよね。
でも実際は球際の強さは同じでも点差が開くことが多々あります。
理由は相手の球際の強さを最適な状況判断で受け流す力があるからです。
認知・判断・実行の実力差
「認知・判断・実行」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
何をどうやって見て(認知)、どのようなプレーを選択し(判断)、実際にプレーする(実行k)ことです。
認知・判断の部分にフォーカスしたエコノメソッドという育成メソッドが注目されています。
日本サッカー協会をはじめ、日本代表の久保選手も学んでいたのはご存知でしょうか。
エコノメソッドを取り入れたいならサッカーサービス社の「知のサッカー」がおすすめです。(第1巻はU-12年代向けです)
ヨーロッパでは少年期は認知・判断(オープンスキル)を伸ばすことに注力しますが、日本では反対に行動(クローズドスキル)を重視しがちな傾向にあります。
国際舞台でも日本のジュニア年代は良い成績を収めますが、年齢が上がるにつれて世界との差は開いていく一方です。
原因はオープンスキルの習熟度の差と言われています。
球際の強さについても同じで強度が上がればプレースピードも上がるため、求められる状況判断のスピードも高いレベルになります。
高いレベルの中で的確に状況判断できるかどうかでそのチームの本当のレベルが見えてきます。
ではでは。