少年サッカーでパスを出さない子っていますよね。
特に低学年は団子サッカーなので自分でドリブルすることに一生懸命で、むしろパスを出せる子の方が少ないと思います。
低学年の終わりくらいには皆パスを出せる(出そうとする)ようになると思いますが、息子の周りにパスを出さないままの子が2人いました。
今回はパスを出さない子たちがその後どうなったか、というお話をしたいと思います。
とにかくパスを出さないA君とB君
息子のチームメイトのA君と、スクールの友人B君は1年生の頃からドリブルで相手をかわすことが得意でした。
A君はスピードを武器にぐんぐん抜いていくタイプ、B君は足元の技術で相手をかわすタイプです。
低学年の間はボールを持てば相手をかわしてゴールするので2人とも目立つ存在でした。
3年生になってからもプレースタイルは変わらず、周りにフリーの子がいてもまず自分でドリブルするので、コーチからはパスも選択できるよとアドバイスされていました。
3年生にもなれば周りの子も身体能力の向上に加え、考えてプレーするようになります。
低学年の間は通用していたドリブルも、3年生の終わりになるとほとんど通用しなくなってしまいました。
球離れを意識し始めたA君
息子チームのコーチは皆に色々なポジションを経験させる方針です。
A君はセンターハーフやトップが多かったのですが3年生の終わりからセンターバックを任されるようになりました。
ドリブルだけでなくディフェンスも上手く、球際も強くいけるからだと思ってます。
はじめはセンターバックなのにボールを持つとドリブルで突っ込んでしまい、前方の味方にパスすることができませんでした。
その結果、ボールを自陣で奪われてしまい簡単に相手にシュートを決められてしまう場面を何度も目にすることに。
コーチはその度にドリブルする状況なのかを考えさせるようにアドバイスし、危機感覚を身につけさせました。
センターバックというポジションで繰り返し危機感覚を磨いたことがA君の意識を変えるきっかけになりました。
徐々に状況判断してパスを選択するようになり、4年生になってからは球際の強度が高い試合でも球離れがどんどん良くなっています。

ドリブルに固執し続けたB君
一方のB君はスクールでは変わらずドリブルを選択するプレーに終始していました。
足元の技術でかわすタイプなので抜けるまで何度もボールを持ち直す癖がついています。
周りのプレースピードが上がっている中、B君の所でボールが止まってしまうので全体のテンポを遅らせてしまっているのが見ていてはっきり分かってしまいます。
コーチからは周りを見ろと散々注意されるのが可哀そうになるほどです。
4年生からは戦術や数的有利を活かして崩すことを教わり始めます。
周りの子がパスで崩すことの面白さを感じていく中、B君はプレーに加われず徐々に周りについていけなくなってしまいました。
パスを出さない子は意識を変えるきっかけが必要
A君とB君、どちらもパスを出さない子でしたが、低学年の成功体験が弊害となって「パスを出す意識」に切り替えできなかったのだと考えています。
A君は意識を変えることができましたが、B君はコーチから散々言われても意識は変わりませんでした。
2人の違いは自分で気づくきっかけがあったかどうかだと思います。
ドリブルで抜いてゴールを決めるのは確かに気持ちがいいですが自分だけの楽しさです。
仲間と協力して相手からゴールを奪うことはチーム全体で何倍もの楽しさを感じられる、まさにサッカーの醍醐味なのではないでしょうか。
B君は今必死になって周りの子に追いつこうと意識を変え始めています。
ではでは。