サッカーをやる子は大抵どこかの少年サッカーチームに所属していますが、どうやってそのチームを選んだのでしょう。
子供がサッカー始めたいと言ってるんだけど「どのチームを選べばよいのか分からない」という方、多いと思います。(実際私もそうでした)
本記事では、お子さんがはじめてサッカーを始める方がチーム選びで失敗しないためのポイントを紹介したいと思います。
- 少年サッカーチームの種類とレベル
- チーム選びに失敗したケース
- チームを選ぶ際のポイント
- 失敗しないチームの選び方
少年サッカーチームの種類は3つ
少年サッカーチームには大きく分けて3つの種類があります。
- スポーツ少年団
- クラブチーム
- サッカースクール
スポーツ少年団
学校や地域に根付いたサッカーチームで、その数は日本全国で3,886もあります。
指導者の大半はボランティアであり、パパさんコーチも多いです。
チーム運営もボランティアなので保護者が協力して活動するのが一般的です。
中にはベテランの指導者も多く、強豪と呼ばれる少年団もあります。
少年団の良い点
- 誰でも入団できる
- 費用が安い
誰でも入団できる
セレクションなども無く、誰でも気軽にサッカーを始められます。
費用が安い
月謝が安く最低限の費用で済みますが、ユニフォームやチームウェアは個人で購入するチームが多いです。
少年団の悪い点
- ボランティアコーチのため指導が不十分
- 保護者の負担が大きい
ボランティアコーチのため指導が不十分
コーチは専属ではないのでチームによっては指導が十分行き届かないことがあります。
入ったはよいものの、人数が多い学年だった場合は満足に練習を見てもらえないケースが多いです。
サッカー上達に関してはもちろんのこと、ケガや友達とのケンカなど、保護者の心配のネタが増える可能性も想定しておく必要があります。
保護者の負担が大きい
お手伝いの負担はそれなりにあり、週末ともなれば保護者も試合の送迎係やグラウンド設営係、他チームのアテンド係に駆り出されます。
大抵のチームは役割を当番制で回すので保護者間で協力しながらの活動が必要です。
仕事や用事で週末休めない場合は他の保護者に負担がしわ寄せされてしまうため、非常に肩身が狭い立場になってしまいます。
クラブチーム
クラブチームは専任の指導者やスタッフで運営されているチームです。
少年団と比べて練習日や試合数も多く、よりサッカーに取り組める環境です。
おおよそ4,500程度(※)あり、Jリーグ下部組織チームもクラブチームに分類されます。
※日本全国の4種登録チーム数は8,337あり、そこからスポーツ少年団登録チーム数を除いた数で算出しています。スポーツ少年団として未登録のチームも含まれているため、クラブチーム数はあくまで目安となります。実際はもっと少ないと思います。
クラブチームの良い点
- 専任コーチによる十分な指導
- 保護者の負担が小さい
専任コーチによる十分な指導
クラブチームはボランティアではなくビジネスとして運営されています。
そのため専任の監督や複数のコーチで指導していることが一般的です。
小学校1年生から6年生まで年齢に合ったカリキュラムで指導されるため、十分な指導を受けることができます。
保護者の負担が小さい
少年団と違って保護者の協力は最小限です。チーム運営を手伝う必要はなく、チームにお任せです。
専用のバスで送迎があるチームもありますが、そうでないチームはあっても遠方の試合の送迎程度です。基本的に現地集合のため他の子を送迎する当番もありません。
クラブチームの悪い点
- サッカー意識の高い保護者が多い
- 費用が高い
サッカー意識の高い保護者が多い
子供のサッカーに対する意識が高い保護者が多いです。
子供に上手くなってほしい、上のレベルに行ってほしいといった考え方の保護者が多いので、独特な雰囲気があります。
小学生なんだから楽しくやれればよい、という考え方だとソリが合わないかもしれません。
費用が高い
一番のデメリットは費用が高い点です。少年団と比べてかなり費用が掛かる覚悟が必要です。
月謝は少年団の3倍以上、チームウェアやユニフォームの購入費、遠征にかかる費用などなど。
費用についてはこちらの記事が参考になります。
サッカースクール
サッカースクールはスキルアップを目的に通うものであり、チームではありません。
そのため公式戦や大会などは出場することはできません。
大人のゴルフスクールやテニススクールを想像するとイメージできると思います。
サッカーチームに所属しながらスキルアップに通う子が多いですが、低学年であればサッカーを始めるきっかけとしてスクールにだけ通う子もいます。
サッカースクールの良い点
- サッカースキルがアップする
- いろいろな保護者と情報交換できる
サッカースキルがアップする
専属コーチがスキルアップを中心に指導するため、サッカースキルが上達します。
スクールには年齢別、レベル別のクラス分けがあるので子供に合ったクラスで指導を受けることができます。
また、チームに所属している子は普段とは違う指導者・スクールメンバーと活動することで刺激を受けたり、多面的な価値観を身に着けることができます。
いろいろな保護者と情報交換できる
スクールにはいろいろな子が通ってくるので他の保護者と情報交換することができます。
他のチームの状況や評判であったり、他の学校の情報であったりと、普段の環境では知ることのできない情報を収集できるので非常に参考になります。
サッカースクールの悪い点
- 子供の負担が大きくなる
- 余分な費用がかかる
子供の負担が大きくなる
チームに所属している子はチーム活動とは別にスクール活動をすることになります。
酷ければ1週間サッカー漬けになってしまい、サッカー以外の時間を持つことが難しくなります。
肉体的な負担も大きくなりますが、学校の友人と遊べなくなったり、自分の時間を持てなくなったりと子供らしい生活が送れなくなるリスクがあります。
余分な費用がかかる
スクール費用も高いです。
基本は週1コマで月4回ですが、月謝はクラブチームと同程度は必要になります。
チームに所属している子は月謝が倍になると思った方が良いです。
スクールウェアやスクールバッグがあるスクールだとさらにお金はかかります。
年齢が上がってクラスが変わると月謝も上がるのが普通なので、あらかじめ先々まで見越してどれくらい費用がかかるか確認しておく必要があります。
少年サッカーチームのレベルを知る
少年サッカーチームには強さのレベルというものが存在します。
- J下部組織チーム
- 強豪チーム
- 街クラブ
2020年に行われた第44回全日本U-12サッカー選手権大会を例に説明します。この大会は全国の小学生サッカーの集大成となる大会です。
J下部組織チーム
言わずと知れたJリーグの下部組織チームです。
- ガンバ大阪
- 鹿島アントラーズ
- 横浜F・マリノス
- 大分トリニータ
- ソレッソ熊本
- ベガルタ仙台
- ジェフユナイテッド千葉 ★準優勝
- ベガルタ仙台
ベスト16のうち8チームがJ下部組織チームで占められていることからも分かりますが、J下部組織は日本のトップレベルです。
プロを目指す子供たちは下部組織への入団を目標にします。非常に狭き門として知られ、セレクション合格率は数%程度です。
強豪チーム
J下部組織チーム以外で強豪と呼ばれるチームです。クラブチーム、少年団のどちらもあります。
- FCトリアネーロ町田(東京)★優勝
- 江南南SS(埼玉)
- バディーSC(神奈川)
優勝チームはJ下部チームではなく強豪チームからでした。
強豪と呼ばれるチームはJ下部組織に迫る勢いを維持している非常にハイレベルなチームです。
街クラブ
J下部組織や強豪チーム以外のクラブチームや少年団をすべて街クラブと定義しています。
街クラブの中でもレベルの差はありますが、日本サッカーのピラミッドを支えているのが街クラブです。
どんな子もサッカーに親しむことができ、上のレベルを目指す子は強豪チームやJ下部組織へとステップアップしていきます。
少年サッカーのチーム選びで失敗したケース
チーム選びに失敗して後悔してしまうケースをご紹介します。
ケース1:指導者が育成に無責任
日本サッカー協会の指導指針にもある通り、少年サッカーの指導者の役割は小学生年代(U-12)の子を育成することです。
ですが、子供のことを考えない身勝手な考え方の指導者が多いのも残念ながら事実です。
- 上手くできない子供に対して暴言を吐き、子供が委縮してしまい本来のサッカーの楽しさを失ってしまう。
- 指導者のエゴでチームを支配し、子供から健全なサッカー機会を奪う。
- 育成と指示をはき違えており、子供の自立した成長を阻害する。
これまでこういったケースを見てきました。どれも本来の子供の育成とかけ離れています。
育成に責任を持たない指導者は指導者失格だと思います。
指導者がエゴを押し通し、子供からサッカーの機会を奪ってしまったケースについてはこちらの記事に書いています。
ケース2:試合に出れない
チームが勝つことを目的とした勝利至上主義のチームはいくつも存在します。
サッカーは勝ち負けを競うスポーツなので、勝つことを目的とすること自体は悪いことだとは思いません。
ですが上手な子だけが試合に出続けて、下手な子は全く試合に出れないことはおかしなことだと思います。
一番成長する機会は試合です。それはプロになっても同じことです。
その機会がもらえないのは育成の観点から大きく外れています。
こういった勝利至上主義のチームでは親も子もチームの方針に染まってしまうので、下手な子と親は肩身の狭い思いをすることになります。
良いチームを見極めるポイント
- 子供達と指導者に笑顔がある
- 勝利至上主義ではなく育成が大方針
- 指導者の接し方に節度がある
子供達と指導者に笑顔がある
子供と指導者が共に楽しくサッカーできている関係であることがチーム選びの大前提になります。
子供だけが楽しくやっているのではなく、指導者も交じって楽しくコミュニケーションできているかで信頼関係が見えてきます。
勝利至上主義ではなく育成が大方針
チームの指導方針が育成であることが少年サッカーのあるべき姿です。
勝つことだけに注力したチームは長期的な子供の成長を犠牲にしています。
小学校を卒業した後も子供がサッカーを続けていけるように指導しているチームは非常に好感が持てます。
指導者の接し方に節度がある
親しき中にも礼儀ありです。指導者が子供に対しても保護者に対しても節度を持った接し方をしていることは大切なことです。
高圧的な言動、気分で態度を変える、仲の良い保護者とだけ会話する、こういった指導者は子供に悪影響を与えてしまいます。
一定の距離を保った接し方をしている指導者は信頼できますね。
避けるべきチームを見極めるポイント
- 試合に出れない子がいる
- 指導者が信頼できない
- 合わない保護者がいる
試合に出れない子がいる
試合に出れない子がいるチームは育成を軽視した勝利至上主義のチームです。
(2チーム出しなどでどの子も試合する機会がある場合は別)
チームの評価だけを優先しているチームなので避けたほうがよいです。
指導者が信頼できない>
指導者が信頼できないな、と感じた場合も避けた方が無難です。
人間性の面、指導面、生理的な面など。
保護者が信頼できていないと感じる指導者に子供を預ける場合、子供の成長度合いやチーム内のちょっとした疑問などが指導者への不満に変わってしまいます。
親の不満は子供に伝わるので良い影響を与えません。
合わない保護者がいる
サッカーチームにはいろんな子供がいるのと同様に様々な保護者がいます。
中にはエキセントリックな人もいますので合わないこともあるでしょう。
保護者トラブルに繋がった場合はチームに居づらくなってしまうので、同じチームでやっていけるかよく考える必要があります。
失敗しないチームの選び方
- インターネットや知り合いから情報収集する
- 練習に参加してみる
- 試合を見てみる
- コーチや保護者と話してみる
インターネットや知り合いから情報収集する
まずは住んでいる地域で候補になるチームを調べます。
地域の少年サッカー連盟のHPには所属するチームが掲載されているのでピックアップします。
facebookやtwitter、チームHPで活動状況を更新しているチームもたくさんあります。
また、知り合いのパパ友・ママ友のつてを頼りに情報収集するのもチームの実態が分かるのでおすすめです。
練習に参加してみる
いくつかピックアップしたチームに練習参加します。
練習内容、子供達と指導者の雰囲気、参加した子供の扱われ方を見てみます。
知っている子がいないチームに参加するのは子供も勇気がいりますが、子供本人の感想も大切なので是非参加してみましょう。
試合を見てみる
練習試合、できれば公式戦も見れるとよいです。
試合は真剣にやっているか、指導者の接し方はどうか、試合に出れない子はいないかを見てみます。
特に試合に出れない子がいないかをよく見てみてください。
指導者や保護者と話してみる
練習参加した際に監督やコーチと話してみてください。
どんなチームなのか、と聞いてみて説明された内容が納得できるようなら問題ありません。
できれば保護者とも話してみてください。
排他的な感じでなければまず大丈夫だと思います。
大切なのは子供本人の意思
チーム選びについていろいろと書きましたが、大切なのは子供本人の意思です。
子供本人が楽しんでサッカーできるのが一番です。
子供が「このチームでやりたい」と決めたなら、親は一歩下がって応援してあげるのがよいのではないでしょうか。
ではでは。